NYの若者が行く過激なパーティ

28日夜、ブルックリンにあるThe Labというイベント会場で開かれるパーティに向かった。立食でネクタイの人が集まるパーティではない。10代後半から20代前半のKidたちのダンスパーティだ。
現地に着くとすぐ、警官が何人か立っているのですぐに場所が分かった。零下2度。中に入って踊りたそうな若い警官が気の毒に雪の中で警備にあたっている。眉や鼻にピアスをした若者に混じって列に並ぶこと10分。やっと建物の中に入ると、なんと警察のバッジをした男性が、セキュリティを仕切っていた。
「VJ(ビジュアルジョッキー)の友達だから」というと、「OK,でもこれだけはやって」と言われて、女性の係員に送られて、空港と同じ体中を触る検査。ペットボトルの水を取り上げられた。こんなにきつい検査があるパーティは初めてだ。
受付でVJの友達だといって、チャージを払わないですむかと思ったが、「チャリティだから」と言われて15ドル支払い。さらに、友達のところに置けると思ったのでチェックインしたくなかったコートも一律3ドルでチェックインさせられた。
中は、ざっと見て600人ほどが踊りまくる倉庫。隣接する駐車場へも会場がつながっていて、外に出たとたんに強いweedのにおいがした。
やっとVJの友達を見つけ出すと、かなり緊張している。こういうパーティにはハンドバッグを持たないで、ポケットなどにメトロカードなどを入れてくるように常に言われていたが、今夜はこの前にディナーがあったので小さなハンドバッグを持っていた。「いつ盗られるか分からないから、そういうの持ってこないで。責任持てないよ」と険悪な雰囲気。
とりあえず、「15ドル取られたけど、何のチャリティ?」と尋ねると、「主催者の一人の彼女が亡くなって、彼女と家族のためのチャリティのパーティなんだ」
これも驚き。過去に、流れ弾に当たって亡くなった若者のためのチャリティパーティに行ったことがあるが、アイリッシュバーで30人ぐらい集まった程度。若者に人気の場所で、人気のDJを連れて来て、週末に行き場のない(高いクラブには行かれない)若者に案内すれば、ゆうに1000人は集まるという例だ。果たして全額遺族に行くかどうかは疑問だ。
今回のパーティは、同じVJに誘われていったパーティの中で、彼がぴりぴりしていたように一番危険な感じがした。今まではウィリアムズバーグなどで、圧倒的に黒人やヒスパニックが多いパーティだった。踊りは過激だったが、割とのどかな感じだった。
しかし、今晩のパーティは圧倒的に白人が多い。その分、親の所得があるせいか、マスクやぬいぐるみを来たり、女の子たちは下着とみまがうが、下着ではないブランドのパーティ用のコスチュームを着ていて、見た目はかなり派手だった。
しかし、妙な緊張感があった。黒人・ヒスパニックのパーティに比べると、みなが楽しんでいるというのではなく、床に座り込んでいる友達を囲んでいたり、リーダーのような一人がグループをまとめようとヒステリックになってしていたり、床に座り込んだり、泣いたり、寝込んだり、パニックになっている若者の姿が目立った。
もちろん、黒人・ヒスパニックの比率が高いほど犯罪率が増えるのは事実だが、白人が多いパーティのこの緊張感は何だろう、と思った。
友人のVJがあまりに神経質になっていたので、早めに切り上げた。
何のネタがあるかどうか分からずにちょっと様子を見に行っている、昔でいうと「ディスコ」パーティだが、何だか人種問題、経済、いろいろと根深い問題を反映しているような気がする。