家電ショー、ラスベガス

2010年1月1日(金)
謹賀新年。正午から、ブルームバーグ市長の就任式の生中継をテレビでチェック。3期目で彼の就任宣誓は盛り上がらなかったが、会計監査官になったジョン・リウは熱狂的に歓迎された。台湾生まれで、アジア系初の会計監査官だからだ。彼の英語は、中国系の人の母音が強いアクセントがない。父親は、ケネディ大統領の大ファンで、息子3人に、ジョン、ロバート、テッドとケネディ3兄弟と同じ名をつけた。

2010年1月5日(火)

世界最大の家電ショー、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)を取材にラスベガスへ。
5日、零下5度。家を朝5時に出て、昼ごろラスベガスに到着。気温16度。コートはいらない。記者会見2つに行ってから、関西のFM cocoloで、家電ショーのことをレポート。放送開始30分前に携帯電話で音声を確かめたのに、放送3分前には同じ場所で、激しいノイズが入って、カジノホテルの中を歩き回るが、ノイズが消えない。DJは音楽をかけて待ってくれて、4分遅れてやっとリポートを始められた。これでどっと疲れが出た。

2010年1月6日(水)

6日朝8時半から始まって、連続7つの家電メーカーの記者会見に出る。毎年CESのヤマ場だ。ベネシャンというホテルの宴会フロアを、一つの会見が終わるごとに、1000人からのリポーター、ブロガー、アナリストが一斉に移動し、次の会場の前に長蛇の列を作る。入れなくなることもあるため、素早く会場から会場へ移動し、次々に発表される製品をよくみるため(写真に撮るため)、なるべく前の席を確保する。
取材7回目で、段々これがうまくなってきたが、サムスンの会見では舞台すその床に座り込むことになった。
最後に夜、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOの基調講演に行った。聴衆はおそらく5000人以上。基調講演のキックオフを10数年続けたビル・ゲイツが来なくなって2年経つが、相変わらずすごい人気だ。ところが、舞台の電源が切れて、開始が30分遅れた。マイクロソフトにとって、CES基調講演でのヘマはあり得ないこと、と以前聞いた。何だかドキドキした。

(記者、ブロガーで数千人の参加がある。プレスルームで配られたランチを廊下で食べる記者たち。私は数が足りず、ありつけなかった)

2010年1月7日(木)

CES開始。キーワードは、3Dテレビ、インターネット接続テレビ、電子ブック。このうち、後者の2つが日本市場に出現するのはかなり遅れるだろう。

サムスン、気合の入った3Dの展示。9画面が4面キューブに張り付いているから36の3Dテレビを並べたことになる)
インターネット接続テレビで、一番見られているのが、インターネットで配信されるテレビ番組で、日本ではあまり配信がないからだ。米国ではほぼすべてのテレビ番組が、オンラインで見られる。電子ブックも、日本では権利の関係で、出現が先になるだろう。
広い会場を歩き回り、足がパンパンになった。400枚ほど写真を撮った。

2010年1月8日(金)
CESと同じ期間にラスベガスで開かれているアダルト・エンターテインメント・エキスポ(AEE)でも、「3D」が話題になっていると聞いた。AEEは、数年前にホテルの女性化粧室でバニーガールの一群に会ってから、いつも気になっていたので、思い切って見に行くことにした。プレスルームの「当日登録」のところへ行くと、どこに記事が出るのか、と聞かれた。
「あてはないが、ネタを探しに来た。CESで3Dが話題になっているので、AEEで3Dのコンテンツがあるか、チェックしに来た」と正直に言った。
「CESのプレスバッジを持っているし、君を信じよう」と担当のおじさん。きっと「メディアだ」と偽って、タダで会場に入ろうとする輩がたくさんいるのだろう。この間、「警察関連の雑誌を出していて、警察官から紹介状をもらってきた」と、判読ができないサインがある名刺をみせた中年男性がいた。しかもいかにも観光といういでたちの女性の連れがいた。この二人はメディア登録を却下された。
登録担当のおじさんは、登録がすむと親切に、「目玉」の一覧表をくれた。土曜日にお目見えする「ロボット」が今年最大の目玉でいいネタになるだろう、と勧められた。
結論として、3Dはまだないに等しかった。しかし、AV女優のサインを求めて列をなす人たちや、商品を売ろうと熱心な関係者、そして、あちらこちらを歩き回る女優をカメラに収める人々で、CESと同じくらい熱気にあふれていた。女性の来場者も多く、みなおしゃれで楽しんでいるし、什器もCES同様本格的で、不健康なところが全くなかった。つまり、ビジネストレードショー(でもある)。毎年来ると、CESと同じようにトレンドが読めるようになるだろう。