ナイン・イレブン

2009年9月11日(金)

同時多発テロから8年。雨が降ったのは初めてではないだろうか。いつも気持ちのいい晴天になるのに。当日もあまり天気がいいので、午後から出勤することにして、一命をとりとめた人もいたと聞いたことがある。

(雨の中で、会場の外に集う人々。空間が見えるところがWTCのあったところ)
世界貿易センターの最初の1棟が崩壊したのが午前8時46分なので、いつものように7時半ごろにグラウンド・ゼロに到着し、追悼に来た人たちに加わろうとした。が、天候もあって、いつも人々とマスコミでいっぱいの歩道はがらがら。8時ごろ、取材に来ていたアメリカ人記者たちに会って、あまりに寒いのでスタバに避難。
「年々、追悼の人が激減している。最初に見た2003年に比べると100分の1ではすまないのでは?」
アメリカでは、前に進むほうが大切なの。忘れるのよ」
日本では、広島、長崎の原爆の日終戦記念日に、きょうのグラウンド・ゼロよりもはるかに多くの人が参加している。
ジョー・バイデン副大統領も加わった追悼式会場内には、ネットワークテレビなど米メディアがそろっていたが、会場の外にまでカメラマンや記者を配置して、人々のコメントを熱心に聞いたりしているのは、昨年あたりからほぼ日本メディアだけだ。

(去年の写真から。10分署消防士の遺族。10分署はWTCの真横にある)
新聞紙面も「前を視る」という姿勢を反映している。朝、街角でタダで配られているMetroルクセンブルグ本社で、欧州、アジア、北米、南米の100都市で発行される20分で読めるフリー新聞)。’9/11 8 Years Later’という特集3P。
1ページ目  →  オバマ大統領がイスラム世界との融合を訴えているものの、中東では反米感情が強いこと、米国人の46%がイスラム諸国をunfavorable(好意的ではない)と思っていること(CNN)、その中で、米国に住むイスラム教徒が常に攻撃や非難の目にさらされている実態。
2ページ目  →  アフガニスタンでなぜ戦争を続けなくてはいけないのか。
3ページ目  →  911犠牲者の遺族が、ボランティアなどでほかの人々を支援する活動を広げている実態。
とはいえ、12日の紙面は、もっと追悼の色が強いものになるだろう。

きょうのジーター  ↓
ヤンキースのデレク・ジーター遊撃手が、ルー・ゲーリックの記録を70年ぶりに塗り替える、球団の最多安打記録を達成。通算2723ヒット。
「雨があんなに降ったのに、ファンが残ってくれていて、チームと、そして重要なのはチームの歴史を大切に思ってくれていることに感謝してる」
というのが記者会見の最初の言葉。自分ではなくてチームをたてる、頭のいい人だ。