クロンカイト追悼式、オバマの議会演説

2009年9月10日(木)

7月に亡くなったウォルター・クロンカイトのメモリアルが9日、ニューヨークのリンカン・センターで開かれた。さすが、テレビ界で、CBS社長のレスリー・ムーンヴェス氏を含め、弔辞は故人の思い出話やジョークで笑いにあふれ、和やかな雰囲気だった。
オバマ大統領とクリントン元大統領が出席。クリントン氏の話。
「1998年の人生で最も混乱していた夏(=モニカ・ルインスキーとの不倫発覚の直後)、避暑地にいたら、クロンカイトから電話がかかってきた。で、船で海に出ようじゃないか、というんだ。君とヒラリーとチェルシー、と僕で、ただ海に出る。クロンカイトと一緒だということで、パパラッチされるかもしれないけどね、と(笑)。彼がそんなことする必要はないのに、彼は、本当に、いい人だった」
ウィントン・マルサリスが、楽隊を率いて、ニュー・オーリンズ式の葬送ジャズを会場を練り歩きながら演奏した。かっこいいメモリアルだった。

きょうのオバマ  ↓

クロンカイトのメモリアルが終わってから、午後8時から、上下院合同本会議で医療保険制度改革についての演説。10日ニューヨーク・タイムズによると、大統領にとって、これほどインパクトのある現場というのはほかにないそうだ。だから、執務室からのテレビ中継ではなく、合同本会議にした。
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-the-President-to-a-Joint-Session-of-Congress-on-Health-Care/(演説全文)

オバマ陣営から来たメールで、演説をみる集会に登録。5番街のバー、Dewey’sに行った。1階、2階ともに立錐の余地もないほど混雑。しかし、演説が始まると静まり返った。

http://www.nytimes.com/2009/09/10/us/politics/10obama.html(10日ニューヨーク・タイムズ)
共和党に対して歩み寄りができるというのをにじませつつ、さらに法案を具体的に説明。保守派が流したデマは全面否定、と計算されつくした演説だった。政権にとって風向きは必ずしもよくないが、去年の大統領選でもやったように、演説で風向きを変えることができるかもしれない、という分析。

演説中にサウス・カロライナ州のウィルソン下院議員が「うそつけ!(You lie!)」と怒鳴り、1時間後に謝罪声明をする始末となった。「大統領に対して、尊敬の念を欠いている」(マケイン議員)と、内輪からも批判が出た。
ちなみに、ペロシ院内総務、ヒラリー・クリントン国務長官二人のスーツと、オバマのネクタイが真っ赤(fire-engine red=消防車の赤)だった。気合を入れるときは、やはり赤らしい。