オバマが新学期に「訓示」

2009年9月9日(水)

きょうのオバマ  ↓

アメリカでは、8日からが新学期。そこで、オバマ大統領が、新学期にあたっての「訓示」をインターネットで流し、それを全国の学校でみられるようにした。これに保守派の父母から反対の声があがり、大変注目された。
「新学期の演説でも、政治的なメッセージが入ったものだと、子どもに先入観を植え付ける」「オバマ流の社会主義的思想を植え付ける」という批判。
9日ニューヨーク・タイムズによると、ほとんどの学校が見たようだが、対応は分かれた。
http://www.nytimes.com/2009/09/09/education/09educ.html?hpw
共和党が多い保守的な州では、「子どもに見せてもいい」という親のメールがあった子どもだけにみせた。ある学校は、ビデオをライブで子どもに見せずに、先生だけでまず見て、政治的なメッセージがなければ、子どもに見せることにしたなどなど。
過去には、ブッシュ・パパが、ワシントン近郊の高校で「ドラッグには近づくな」と演説し、その費用約300万円ほどを返せ、と議会に批判されたらしい。
オバマも、ワシントン近郊、バージニア州の黒人やヒスパニックが半分以上という高校で演説し、それをオンラインで流した。この高校では、予想されたとおり、オバマは生徒の黄色い歓声に迎えられて、かなりうれしそう。
注目の演説、16分と長め。。。
「自分は、2歳で父親が家を出ていき、シングルマザーの家庭で、インドネシアで育った。裕福ではなかったから、母親に朝4時半に起こされて、毎日アメリカの学校と同じことを教わった。決して面白くはなかった」
「しかし、勉強をすることは大切だ。教師になりたくても、科学者、警察官、兵士になりたくても、一生、勉強したことは自分についてくる」
「教育は、自分が何になってもついてくるだけでなく、わたしたちの国の将来もかかってくる。もし、今さぼって、勉強を投げ出したら、それはアメリカを投げ出したことにも匹敵する」
「結果はすぐには出てこない。失敗が多い人の方が、成功しているという例もたくさんある。ハリー・ポッターの生みの親のロウリングスさんは、一冊目が出版されるまで、12回も断られ続けた。でも、失敗が成功につながるから、今すぐに勉強ができなくても、あきらめてはいけない」
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-the-President-in-a-National-Address-to-Americas-Schoolchildren/(テキスト)
タイムズによれば、子供たちは大統領から訓示が聞けるのを歓迎(校長先生も自分が訓示をしなくていいから歓迎)、ただ舟をこいだ子もいるし、実務上の問題として16分もの時間を取れなかった学校もあった。
とにかく、オバマが何かをやると騒々しい。やらなくてもいいのに、とも思う。
タイムズは見出しにもあるようにpep talk, つまり、激励調の(オヤジっぽい)演説だったという判断。