テッド・ケネディのお葬式

2009年8月29日(土)

2週間の猛暑が過ぎて、突然20度前後。寒い。
3時間に及ぶ、テッド・ケネディ上院議員のお葬式の生中継を見る。遺体が安置されていたJKF博物館から、Our Lady of Perpetual Hope Basilica教会まで、お棺が運ばれ、お葬式が終わって、お棺が埋葬のために運び出されるまで、逐一。
CNN、FOX、MSNBCといったニュース専門局だけでなく、ネットワーク局5局、ニューヨークローカル局のNY1までが、生中継。教会内のカメラは共同取材にしたようで、どこも同じ映像だった。
ハイライトは、長男テッド・ジュニアの追悼スピーチ。12歳のときにガンで片足を切断し、義足になった。雪の日、父親テッドに橇に誘われて、丘を登ろうとするが、義足がうまく動かなくて、転倒。「登れないよ」と言うと、父親が長男を抱きかかえて、言った。
「お前にはできる。世の中にできないことなどない。たとえ二人ともくたばってしまったとしても、一緒に登ろう」
これを聞いて、野口英世を思い出したのは私だけだろうか。
http://www.chicagotribune.com/news/chi-10-things-kennedys,0,112759.story
(長男のビデオ、オバマのスピーチビデオ、アーリントン墓地の埋葬された場所の地図など、マルチメディア資料がたくさん)
水曜日に、ハイヤニスポートの自宅をお棺が出るときに、ゴム草履に膝丈の半ズボンで、その上にジャケットを着せられていたのは、孫のテッド3世と、中継で判明。
祈祷で、「去年の夏、希望は再びわき起こり、夢は生きる、と言っていたのを忘れないよ」と言った。
上院議員が大統領選で、オバマの支持を打ち出したときのスピーチの言葉だ。3世の前には、オバマ大統領夫妻が座っていた。

一方で、保守系のニューヨーク・ポストは、テッド・ケネディオバマ批判を論説などで連日展開。ニューヨーク・タイムズも、テッドのような脳腫瘍がいかに不治の病で、最後の日々にいかにお金がかかるか、という特集を載せた。つまり、最高の医療保険に加入していないと、安らかな死を迎えられない、という最たる例。医療保険改革の議論にリンクした記事だ。