バーナンキ、株価上昇に一役

2009年8月25日(火)

景気回復の実感がないまま、株があがっているが、ニュースも増えてきた。夏もそろそろ終りだ。

ブッシュ政権時代のCIAが、テロ容疑者を海外の収容所で、違法な方法で「拷問」していたことを明らかにするリポートが明らかになった。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/story/2009/08/24/ST2009082401068.html?sid=ST2009082401068
オバマ政権は、ブッシュ政権の責任追及をせざるを得ない状況に陥った。どういった着地点を探るのか。

もうひとつは、バーナンキFRB議長再任のニュース。(日本人のトレーダーがバーちゃん、と呼んでいるのを聞いたことがある)
夜の間に、エマニュエル首席補佐官の話として、再任報道が出そろった。
一夜明けて、オバマが休暇で滞在するリゾート地、マーサ・ビネヤードに、バーナンキ議長を呼び、再任を発表。二人ともノーネクタイで。後は上院の承認が必要となる。

問題はなぜこの時期か。
オバマは、公式には休暇中仕事をしない、と言っていた。
これはやはり、株の一段押し上げのためだろう、と思う。
ダウ平均は、はやく1万ドルを回復したいところだ。その心理的な境界線だった9500ドルを先週やっと超えた。
きのうはやっと9500ドルを超えて終わったが、株価上昇が、実体経済の回復を示しているかどうか、市場心理は懐疑的で、伸び悩んだ。
ここで、エコノミストから圧倒的な支持があるバーちゃんを再任して、さらに1万ドルに近づけたい、という意向がオバマに(オバマのスタッフに)あったにちがいない。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601082&sid=aE6sEokA.P8Uブルームバーグ
バーちゃんが、7月末のイベントで語った言葉が出ている。
「学究の人生のほとんどを、大恐慌金融危機の研究に費やしてきた。それが、こんなに役に立つとは、思ったこともなかった」
運がいい人と、いえるかもしれない。
彼が、理論家であり、大恐慌金融危機の研究家だったことが、エコノミストから絶大な支持を得ている最大の理由だからだ。