「フツーの人」と「すごい人」の違い

2009年6月9日
1990年から10年間、ザ・ボディ・ショップ・ジャパンの社長として、ビジネス界の有名人になった元労働官僚の木全ミツさんの講演会が、日本クラブであり、取材・書記を頼まれた。
http://bwcjaa.org/start/index.php?option=com_content&view=article&id=143:090609&catid=3:categoryworkshopinfo&Itemid=4

企業の成長と同様に、環境保護、人権・動物保護にコミットする英国生まれのボディ・ショップは、当時、日本では「あり得ない企業」だった。
化粧品・トイレタリーメーカーなのに広告は一切出さない。
包装を極力しない。
お客やコミュニティー環境保護運動に巻き込む。

木全さんはこれをすごい!と思い、小売り・流通の知識は何もないのに、ジャスコ岡田卓也会長に頼まれて、ボディ・ショップの日本上陸に辣腕をふるう。
化粧品が切れたら、容器を洗ってお店に持ってくるとリフィルしてもらえるシステムが厚生省に認められず、直談判で2年間闘った話。
ボディ・ショップに移る際、尊敬する労働省の先輩から「君は、(士農工商の)武士階層から最下層の商人階層に身をおとすのか!」と言われたが、ボディ・ショップ一号店開店の際には、労働大臣から花束が届き、溜飲を下げた話。
流通の神様(?)といわれる岡田会長に、役員会で「あなたの言っていることは間違っています!」と言った話。

「すごい人」と「フツーの人」の差は、「思う」だけでなく、「実行する」ことだ。
彼女の最後の言葉は、「ボディ・ショップは私に火をつけたのです」。簡単に言える言葉ではない。