8日目 大統領になるかもしれない男、オランド候補

4月29日(日)まだパリ

ショッピングができない日曜日にどこに行こうかと考えることなどなかった。サルコジ大統領の対立候補社会党フランソワ・オランド候補の集会が郊外であった。
街中でみつけた社会党の事務所によると
「2時からバンドが出て楽しいよ。そして4時からオランド氏の演説だ」
そこで、1時半ぐらいに着けばいいかと思えばこれは大間違い。日曜日なのに地下鉄内は通勤ラッシュ並みの混み方。スタジアム会場のある駅では全乗客が降りて、車内は空に。すでにスタジアム内は満員になっているらしく、入り口の人の流れはなかなか動かない。前後の人と体がぴったりくっついて、まさに英語でいう「オイルサーディンの缶詰のように」なったまま、少しずつ動くこと15分かかって、やっとスタジアムの中に入った。
なんと22000人、集まった。
2時から、黒人のヒップホップ歌手二人がトップバッターで、ちょっと体重ありそうな団塊おじさんの白熱ロックンロール、そして、アップルのコマーシャルの歌を歌ったシンガーソングライターと、あらゆる世代に配慮したアーティストが2時間歌いまくった。
さて、初めてみる「生」オランド候補、もちろん豆粒ほどだが。。。
幸いにも大スクリーンが真ん前にあって、しかも耳が不自由な人のために、演説の字幕が出て来るので、内容も分かる、ラッキー。
選挙のために15キロ減量したというが、うーん、やはり首が襟に埋まっていて、まだ減量の余地がありだ。
また、社会党の栄光の大統領ミッテランの演説ビデオを見て練習したという演説、これも60分を過ぎて、原稿なしで自分の言葉で話し始めたとたん、抑揚がなくなり、どこにでもいるおじさん風になった。
やはり、原稿なしでの演説のカリスマ性はサルコジが勝っているようだ。
それにしても、フランス人はタフ。
子どももお年寄りも、2時から4時までわいわいと音楽を楽しみ、そしてそれから80分以上、「大統領!」「勝つぞ!」と連呼し、保守の話になればブーイングし、立ったり座ったり、チーズと生ハムとワインが詰まった肉体には勝てないと自覚した。