7日目 再び、食べること

4月28日(土)

「パリで美味しいものを食べて、ちょっとゆっくりしたら!」とみなに言われて出て来たが、けちしているせいで、全く食事にはあたっていない。
朝はお紅茶とグラノラバーで、美味しい紅茶があればかなりいいスタートが切れる。
あとは一日一回と決めている外食で、サンドイッチを買ったり、カフェでつまんだり、という感じ。今までで一番美味しかったのは、日本人の人がごちそうしてくれたイタリアンだ。美味しいパスタであれば、私が常に必要としている「炭水化物」が簡単に取れるので大歓迎。(もちろんご飯があれば文句なしだが)
しかし、カフェやブラッスリーで、パスタを注文するのは、おそらく米国の庶民的レストランでパスタをたのむのと同じぐらい危険(びちょびちょのパスタしか出さない)と思われる。パスタが好きではない人にとっては、どうでもいい代物でしかない。
あるカフェに入って、黒人のウェイトレスがまかないを食べていたが、何のソースもかかっていないラビオリをゆでただけのもの。そこに、パセリや塩、胡椒など一生懸命かけて食べていた。ここでパスタを注文したら、推して知るべしだ。
彼女が食べ終わって、ほかのウェイターが食べていたのは、コンフィ・ド・カナール(鴨の塩漬けを焼いたもの、これはかなりいけるメニュー)が少し添えられていたが、付け合わせが、さきほどのソースなしラビオリだった。
安くて、満足がいくものは、中華のデリ。
100グラムとか150グラムと日本のデパ地下風におかずが注文できるため、あれこれ食べられる。
海老の炒め物100グラム、野菜炒め100グラム、チャーハン100グラム、海老餃子2個で、7.5ユーロ。まあ、お値ごろとはいえない。
対して、仕事の前に慌てて駆け込んだマクドナルドのベーコンエッグ・マフィン+コーヒーが2.7ユーロ。さすがマクドナルド。本当に切り詰めたければ、おがみたくなるような安さだ。
人から勧められる、夕方ブラッスリーに入り、ワインと生ハムの盛り合わせ、はトライしたくてたまらない。しかし、毎日雨と風で体が冷えきった後に、冷たい生ハムは何ともやりきれない。もう少し暖かくなったら、きっとフランス人のように、ブラッスリーの旨い夕べをトライできるかもしれない。

(雨の中で演奏するバンド。もんぺ風なパンツは、3年前からニューヨークのアンダーグラウンドな場所で流行っていたが、やっぱりパリ発だったのか?!)
今日は朝から、再びナンテールの農園に行き、20年以上活動しているエイズ患者団体の代表に取材。それから中心部に戻って、プラース・シャトレ(広場)で、反サルコジの集会をぬれねずみで取材。土砂降りなのに、異常な盛り上がりで、バンドの古くさい音楽を聞いて、みんな楽しそうにしていた。