新聞とオンライン記事の違い

cako2011-01-03

ニューヨーク・タイムズ晦日掲載の特集「軍の呼び出しにさらされる家族」は、ミニドラマのような人間模様が簡単な英語で鮮やかに描かれた記事で、地下鉄に乗っている時にiPhoneで一気に読んだ。オンラインに出た直後に読んだから、おそらく大晦日の前の晩だ。
シングルパパがアフガンの米軍に呼び出されて、叔父さんに預けられた兄弟が、寂しさから学校で悪さをしたり、叔父さん一家の生活も一変してしまう。しかし、叔父さんもいい子にしていれば、狩りに連れて行ったり、いろいろと工夫して兄弟を育てる。負傷したお父さんが帰ってくるまでの丁寧なルポ。
しばらく経ってから、紙面をみて、ちょっとうなってしまった。iPhoneでは一枚も写真が付いていなかったが、紙面は一面に戦場に行くお父さんにしがみつく子供たちの写真、中面にはお父さんを見送ってむくれている子供など、カラーで4枚も載っていた。
写真の威力は大きい。一面の写真をみて、中面1ページを使った特集を読んだ人も多いはずだ。
http://www.nytimes.com/2010/12/31/world/asia/31families.html?_r=1&scp=1&sq=families%20bear%20brunt%20of%20deployment%20strains&st=cse
↑ パソコンで読めば、写真のスライドショーは付いているが、紙面で見るほどのインパクトはない。
写真がよかったばかりでなく、お父さんが戦場に行く前の写真があったことで、記事の取材が何年もかかっていることも裏付けされて、うなってしまった。iPhoneで読んだときは、丁寧な取材だと思ったが、そこまで遡って取材を始めていたとは思わなかったからだ。
この特集のテーマであるA Year at Warというシリーズは、アフガンにいる87兵団の様子を克明に追っている。オンラインでは、不定期に掲載されているこのシリーズを一気に読むことができる便利さもある。
タイムズが部屋にたまるのに嫌気もさしているのだが、紙もオンラインもどちらも長所があって、購読をやめたいのだが、まだやめられない。