病人続出、キャンプの人びと

cako2010-03-29

2010年3月27日(土)

 

早朝から、MINUSTAH(United Nations Stabilization Mission in Haitiをフランス語にしたものの略語)のスリランカ陸軍大佐を訪ねて、学校をオープンできそうな場所を物色。

ジムとOrphans Internationalは孤児探しの前に、キャンプに一日中、絶望の中、何もしないでいる子供たちが学校に戻れるように、臨時の学校オープンを考えている。ほとんどの学校は瓦礫と化して、近づくと危険なので、MINUSTHAが、住民が近づかないように警備している。

頑丈なビルで残った学校はLeoganeに一校だけあるが、校長先生は子供たちがどこにいるのか、何人生き残っているのかもわからず、開校のめどはたっていない。

そこでは、韓国のNGOが、生き残った先生を集めて、色画用紙で飛行機を作るのを教えていた。

はしゃぐ先生方が、飛行機を飛ばそうとしているのを撮影しようとしていた瞬間、突然カメラが動かなくなった。電池を代えても効果なし。

ビデオ・カメラマンのモーガンにみてもらうと、オーバーヒートが原因。彼のカメラはもっと高級で、温度計があるが、頻繁に危険領域に近づくため、日陰に入ったりするという。

そういえば、午前中MINUSTAHはほとんど日向で、大佐を取材していた。

 

人間の適応力はすごいもので、私は食欲もあるし、元気。

だが、今日までに11人のグループのうち、4人が、下痢・嘔吐にかかった。シンガーでアーティストのためのNGOをやっているサリは、幸運なことに(?)、MINUSTAHにいる間に顔が真っ青、というより真っ白になって嘔吐を訴え、すぐにスリランカ軍のクリニックに入院。ハンサムな医者に診てもらって、ハンサムな10人あまりの看護士に囲まれて、もどした。

サリは、きれいなシーツに、レースのふちがついた蚊帳のある、クリニックのベッドに半日寝かせてもらって、回復した。

 

朝は、トーストしていない食パンにピーナッツバター(名物)、チェリージャム、三角チーズ、コーヒーかショコラ。

忙しいので、昼は大体、夜食に合体して、チキン、野菜、揚げたプランテン、豆の入った御飯、ビール(Prestigeという)が日々続く。地元の女の子が水会社に雇われて、日給2ドルで、裏庭で料理してくれている。が、鶏が飛び回る裏庭の衛生状態は保障されていない。

夜は、社長室の床か、工場のコンクリート床にキャンプ。エアマットを持っている人もいるが、私は寝袋だけなので床が固い。

コカコーラもスプライトも簡単に手に入らないし、飲料水もない。私は、持ってきた水が切れてからは、取材の間に買うスプライト、コーヒー、ビールで水分を補給し、歯磨きも朝はコーヒー、夜はビールで、水はボトルに入っていても地元のものは飲まないようにしている。

こうした生活の中で、体の耐性が試されるのだと思う。4人病気になったが、地元の水を一日中飲んでいるジムはぴんぴんしている。

 

それでも、キャンプで食うや食わずの生活をしている人々よりは、まったくもって高級で、衛生的な生活だ。

キャンプから裏庭によく来るエルビー・カジュストという男の子はフランス語が話せるが、私たちの顔をみると、「おなかがすいた」という。「一時間前に食べたでしょう」というと、「ママがおなかがすいている」。そして「弟が」「妹が」「おばさんが」と続く。嘘をついているわけではないから困るのだが、水会社のまわりには、エルビー同様におなかをすかしている人が、6850人いる。