カシミールの映画

2009年11月22日(日)

カシミール映画Zero Bridge をMomaで観た。カシミールの閉塞的状況から、都会デリーに逃げたいと思う若い男女の話。貧しいところではよくあるテーマだが、それに加えて、強力な家父長制度があり、結婚相手も勝手に決められてしまうなど、独特の慣習が淡々と描写されていた。
http://www.zerobridgefilm.com/ZERO_BRIDGE%3A_Official_Film_Website/ZERO_BRIDGE%3A_Official_Film_Website%3A_Main.html
監督・プロデューサー・カメラ・音声を一人でやった制作者が出てきたQ&Aでは、最初の質問が白人女性から、訳知り顔の質問が出た。
若い女性が、若い男性を家に連れて行って、食事をさせる部分があったが、そんなことがあの国であるんだろうか」
制作者は「脚本はフィクションですから」と一蹴、一気に気を悪くした。続く白人年配男性からの質問が「あの若い女性が一緒に住んでいたのは、おばさんか? よく分からなかったので説明が欲しい」
私が見た限りでは、おばさんではなく、母親と住んでいて、母親が家の中のルールを一方的に(伝統的に)決めていた。映画をみて、すぐにストーリーや状況が分からない人がいるのだと思って、驚いた(特に白人には、アジア人の顔がよく見分けられない)。
あまりに、インドという地域に対する先入観、に満ちた、しかしながら、理解しているかのような、知識層の質問に、制作者は不機嫌に「フィクションですから、ストーリーについては全然語りたくない」と言って、QAを打ち切った。かわいそうに。