帰米2世とは

2009年9月2日夜

ニューヨーク日系人会で「平和のためのコンサートと講演」
27年間ニューヨークで活動をしてきた井上和子さん(ピアノ)を中心に、井上室内アンサンブルが演奏。その後、山本岩夫・立命館大名誉教授が、カール秋谷一郎さんという日系人の生涯を取り上げて、「帰米2世」の問題を考える、予定だった。しかし、台風で飛行機が飛ばず、山本教授の渡米はならず、講演原稿を日本語、英語で関係者が読み上げた。

(お琴、石樽雅代さん、チェロ、玉木光さん=日系3世という)
「帰米2世」とは、米国で生まれた日系2世だが、親が日本で教育を受けさせようとして、幼いうちに日本に送られ、また米国に戻ってきた人たちのこと。
日系市民協会(Japanese American Citizen League=JACL)のアイリーン山口さんもその一人。
「日本に送られてからも、日本に慣れるのに苦労し、アメリカに帰ってきてからも、今度は日系人に受け入れられるのに苦労した」
と語る。帰米2世のほとんどは、太平洋戦争の勃発で、日本人として強制収容所に入れられており、アイデンティティ・クライシスに加えて、さらに強制的にどちらの国を選ぶのか、と問われた経験を持つ。

(左、アイリーン山口さん、ブラジル出身で帰米?のシラカワ氏、右、井上和子さん)
「平和」という標題がついていたので行ってみただけで、「帰米」について、何も知らなかった。JACLは、日系人会あるいは日本人コミュニティで、この問題をもっとフォーカスしてもらいたいのだろう。しかし、60人ほどの観衆は、あまりに高齢化が進み、耳も遠く、腰も曲がり、若い人で40歳ぐらい。白人やヒスパニックのアメリカ人は3分の1ほどで、これも高齢者。働き盛りでネットワークも幅広い日本人ビジネスパーソンの参加はみられなかった。せめてもの救いは、ニューヨーク総領事館西宮伸一大使が臨席したことか。